皆さん、こんにちは。岡山県倉敷市でプラント配管工事・設備配管工事・製缶工事などを手掛けている長塩工業です。
プラントや工場において、いざ不具合が生じると一大事……というのが「ホッパー」です。
当たり前のように工場の製造ラインに組み込まれているものなので、意外とその重要性に気づかないということも。
また管理者やプラントのオーナーとして、ホッパーの製作やメンテナンス時にどのような技術が求められるのか、知っておいても損ではありません。
今回は製造ラインにおける縁の下の力持ち的な存在である「ホッパー」について紹介します。
■そもそもホッパーとは?
ホッパー(Hopper)とは、粉粒体の排出装置のことを意味します。食品や医薬品、化粧品製造ラインなどで使われるもので、粉粒体を一時的に貯留して、次の工程に排出するための器具を示します。
形状は基本的に漏斗(ろうと)状ですが、さまざまなタイプがあります。総じて、粉粒体を投じるための投入口が広く、排出口が狭い構造をしています。
■ホッパーはどんな工場で必要とされているのか?またその役割とは?
・主にどんなプラント工場で使用されている?
ホッパーは、製品ごとに処方や工程を切り替えやすいのがメリットです。一定量(バッチ)ごとに原料を仕込み、混合させたり化学反応させたりする工程を逐次処理していくことが可能です。
粉粒体を多く扱う食品をはじめ、医薬、化学、建設、化学プラントなど、品質管理が重視される製造ラインで使用されます。
・プラント工場におけるホッパーの役割とは?
ホッパーがあることで大きなメリットは3つあります。
まず1つ目が、生産ラインを効率化できること。2つ目が、原料供給を安定化できること。3つ目が、工程間のバッファとして機能するということです(バッファというのは、生産ラインのさまざまな工程の間に設ける、一時的な貯蔵のことを示します)。
1つ目の生産ラインの効率化においては、ホッパーがあることで原料を一時的に貯蔵でき、次の工程に安定的に自動供給ができるので、人の手間やケアレスミスを減らし、生産性の向上に起用するという意味があります。
2つ目の原料供給の安定化については、ホッパー内で撹拌したりエアレーションをすることで、本来詰まりやすい粉粒体の詰まりやムラを防ぎ、結果として品質の安定化や不良品の低減に役立ちます。
3つ目のバッファとしての役割ですが、生産工程ごとに進捗や作業スピードが異なることで生まれる差をホッパーで吸収することができます。引いては、常にラインがスムーズに動くよう調整でき、効率的な生産ラインの運用を可能とするのです。
■ホッパーにも種類がある!知っておきたい基本の形
ひと口にホッパーといっても、用途や目的により形が異なります。異なるのは、投入口と排出口の形です。基本のタイプをおさえておきましょう。
・角錐型(四角錐)
投入口と排出口がともに四角形のホッパーです。大量に粉粒体を処理できるので、製作も比較的容易なのが特徴です。ただし角部に材料が残りやすい傾向があります。
・円錐型
投入口と排出口がともに円形のホッパーです。原材料がスムーズに流れ、詰まりにくいのが特徴です。投入量は角錐型より少なめなので処理できる量も減ってしまいますが、角張った部分がないので角錐型よりも材料が残りにくく、高い衛生性を求められる処理に向いています。
・角丸型
投入口が四角形で排出口が円形という、角錐型と円錐型のメリットをあわせもつタイプです。すなわち多量の原材料を投入しやすく、かつ材料の滞留も減らせるということです。
ただし製作には熟達した技術が求められ、手間がかかります。
・偏心型
円錐型を片側にひっぱったように重心が偏った形状をしたホッパーです。心形状により粉粒体が内壁に沿って滑りやすいのが特徴で、粉が内壁に張り付くブリッジ現象や、中央に空洞ができて排出が止まるラットホールが生じにくいメリットがあります。
また偏心した形はフレキシビリティがあるので、周囲の設備との干渉を調整しやすいことも長所の一つです。こちらも角丸型と同じく、製作には高い技術が欠かせません。
このような形状の違いに加え、蓋や脚の有無、キャスター式か固定式かといった脚の形状、容量や目的、設置場所などに応じてさまざまなバリエーションがあります。
■ホッパーの製作・加工の際に注意することとは?
ホッパーの製作・加工は、容量や用途、使用する原材料、設置場所などの設計条件によって難易度が大きく変わってきます。
角錐型は比較的加工しやすい傾向がありますが、材料の滞留が起こりやすいデメリットがあるため、内側を研磨して滑らかにするとよいでしょう。
スムーズに原材料を流れる円錐型は、高い精度の溶接や曲げ加工があってできること。製作コストも角錐型に比べると高くなります。
角丸型や偏心型はいっそう複雑になります。高度な溶接技術に加え、ハンマー成形も必要になるので、製作コストはさらに高くなります。
また小型のホッパーや変形したホッパーも、成形や溶接に熟達した技術が欠かせません。
たとえば溶接の処理が甘いと、摩耗や漏れ、詰まりのリスクが高くなってしまいます。
そして溶接熱によって生じる歪みも考慮して製作する必要があります。熱によって変形したり寸法が狂ったりするので、材料の切り出す段階から見極めと経験が求められます。溶接の盛り具合や溶接する順番を工夫するなど、随所で高い技術が必要です。
ホッパーが正確に仕上がらないと、衛生性や耐久性が担保できず、生産ラインにダメージを与えてしまいます。したがってホッパー製作は、技術力や実績のあるエキスパートに依頼することが肝要です。
■プラント配管のプロ・長塩工業ではさまざまなホッパー製作を承っています!
岡山県倉敷市を拠点とする長塩工業は、全国のプラント配管や設備配管工事などにおいてトータルサポートを提供しており、業界内でも高い評価を得ています。
「特定建設業許可」を取得しているため、規模の大きな工事にも幅広く対応できます。
さまざまな用途のホッパー製作にも対応しています。ホッパーはステンレスをはじめ多様な材質で製造しますが、長塩工業は鉄の加工場とは別にステンレス加工工場も新設するほど、衛生的な環境をつくって高い品質にこだわっています。
大手飲料メーカーさまとのお取引もあるほど、技術力とサービス力には定評があります。
対応できる業者が限られるような特別なスキルが求められる特殊合金の案件もお任せください。
大手プラント配管業者と比較して、リーズナブルな施工と高品質なサービスを提供しているところも多くのクライアントさまに評価いただいています。
ミスのない作業環境の構築や高品質施工を意識しているのも、当社の大きな特徴です。
材料の取り間違いなど基本的なミスが発生しないよう、作業場の整理整頓には余念がありません。類似物は近くに置かないなど、日々の作業環境づくりからも高い意識をもっています。
「きれいな作業場でしか、きれいな製作物はつくれない」というのが代表の理念。社員一人ひとりがそのモットーを徹底し、誠実に高品質なものづくりに向き合っています。
設備配管の施工を依頼したい方、プラント配管に関するお悩みをお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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