皆さん、こんにちは。岡山県倉敷市でプラント配管工事・設備配管工事・製缶工事などを手掛けている長塩工業です。
ひとくちにプラント配管といってもさまざまな種類がありますが、なかでもとりわけ厳格な衛生管理が求められるのが「サニタリー配管」です。
衛生管理において重要な役割を果たすため、パイプの表面はもとより、内側も鏡のごとく磨かれた特別な配管です。
今回はそんな「サニタリー配管」について、基本的な知識や製造において知っておきたいポイントを紹介します。
■サニタリー配管とは?サニタリー配管の基礎知識
そもそもサニタリー(sanitary)とは、「衛生的な状態」「洗浄しやすい」「汚れが残りにくい」という意味をもつ言葉で、衛生を保つ場所やそのための設備も含まれます。したがって、サニタリー配管とは、一般的な配管よりも衛生性が重視される目的で使われます。
・サニタリー配管は普通の配管と何が違う?
たとえばゴミやホコリが入り込むような微細な隙間がない一方で、すみずみまで洗浄されるように、乱流が発生しやすい構造であるのも特徴です。そして流体をスムーズに流したり、洗浄しやすいように複雑な継ぎ手は用いません。継ぎ手の数も最小限におさえるように設計されています。
ちなみに溶接の際は、液だまりを発生させないことがポイントで、施工に用いる工具もサニタリー配管専用のものが使われます。
・サニタリー配管にはどんな材質が使われる?
サニタリー配管には、主にステンレス鋼が使われます。表面だけでなく内側も汚れがつきにくいように鏡のように研磨処理されています。一般的に肉厚は薄い傾向がありますが、高圧で使われるタイプや蒸気を通すタイプ、粉体を扱うタイプなど、流体の種類や用途によって肉厚はさまざまで、もちろん口径も用途によって異なります。なかには、部分的にサニタリー配管を使い、残りは通常の塩ビ管を採用するなど、適材適所で使われることもあります。
■サニタリー配管はどんな工場で使用される?
では、サニタリー配管ではどんな工場・プラントで使用されるのでしょう?その一例を紹介します。
・食品工場
もっともポピュラーな工場の一つが、食品工場で、原材料や製品が生モノであるのが特徴です。配管内を流れる流体が、微生物や異物によって汚染される事態になれば、工場全体の稼働がストップしてしまいます。
こうした汚染リスクを防ぐため、サニタリー配管の適切な設計・施工が必要になります。ちなみに飲料プラントでは油分の使用が厳禁なので、使う鋸も特別なタイプを使います。冷却にも水ではなくエアーを使うように配慮しています。
〉〉こちらの記事も併せてご覧ください!
知っているようで知らない食品プラントとは?
https://nagashio-kougyo.com/blog/column/152988
・医薬品工場
原薬、固形製剤、注射剤、点眼剤、治験薬など、多くの医薬品が製造されるプラントです。人体に入り健康を左右する医薬品を製造する以上、食品同様、非常にシビアな衛生基準が遵守されます。ちなみに医薬品を製造するにあたっては、GMP(Good Manufacturing Practice、医薬品の製造管理および品質管理の基準)に適したプラントを建築し、さらに独立行政法人 医薬品医療機器総合機構あるいは都道府県に申請して調査を受けなければなりません。
このように厳しい許可基準をクリアし、確実に衛生な状態を担保するうえで、サニタリー配管は重要なのです。
・化学工場
石油や天然ガスなどを原材料として化学物質を生産する工場です。原材料そのものや製造品の多くが取り扱いに繊細な注意を払わなければならない危険な物質を含んでいるのが、化学工場の大きな特徴です。
化学プラントの配管設備は、空気や異物の混入がない状態であることが求められます。
もしも化学プラントで事故が発生するようなことになれば、死傷者が発生したり、環境汚染につながるような深刻な事態を招きかねません。こうしたリスクを防ぐためにも、サニタリー配管は大切な役割を果たします。
■サニタリー配管を作れる業者は多くない?
実は、サニタリー配管の製作を手掛けている業者はそれほど多くはありません。というのも高い専門性と精緻な施工技術が求められるからです。
とりわけ、溶接はハイレベルな技術者の存在が大前提で、特殊な設備と工具も必要になります。内部ビード処理や精密な表面仕上げができなければなりません。
溶接一つとっても、プラント配管とサニタリー配管は異なります。プラント配管の場合は隙間を溶接で埋められても、サニタリー配管では隙間があると溶接ができず、まっすぐ切断することのほか精度の高い技術が求められます。
ですので、プラント配管業者でもサニタリー配管に対応できる業者は限られているのです。
さらにメンテナンスを見据えた設計力も問われます。CIP洗浄(=Cleaning In Place洗浄/装置を分解せずに洗浄剤などで自動的に洗浄するシステムのこと)によって隅々まで洗えることも求められれば、場合によってはメンテナンスがしやすいように、分解・組み立てがしやすい構造を考慮することも必要です。
こうした諸条件に加えて、サニタリー配管の場合は食品、飲料、製薬、バイオテクノロジーなど、それぞれの業界の規格を遵守する必要もあります。
実際にサニタリー配管の製作に定評のある業者でも、分野によっては扱わない、ということもあります。
■長塩工業でも、サニタリー配管の製作を承っています!
岡山県倉敷市を拠点とする長塩工業は、全国のプラント配管や設備配管工事などにおいてトータルサポートを提供しており、業界内でも高い評価を得ています。
「特定建設業許可」を取得しているため、規模の大きな工事にも幅広く対応。
食品関連や薬品関連のプラントにおいて、サニタリー配管の製作にも一部対応しています。実際に鉄の加工場とは別にステンレス加工工場も新設するほど、サニタリー配管製造にふさわしい衛生的な環境をつくって高い品質にこだわっています。
大手飲料メーカーさまとのお取引もあるほど、技術力とサービス力には定評があります。
対応できる業者が限られるような特別なスキルが求められる特殊合金の案件もお任せください。
大手プラント配管業者と比較して、リーズナブルな施工と高品質なサービスを提供しているところも多くのクライアントさまに評価いただいています。
ミスのない作業環境の構築や高品質施工を意識しているのも、当社の大きな特徴です。
材料の取り間違いなど基本的なミスが発生しないよう、作業場の整理整頓には余念がありません。類似物は近くに置かないなど、日々の作業環境づくりからも高い意識をもっています。
「きれいな作業場でしか、きれいな製作物はつくれない」というのが代表の理念。社員一人ひとりがそのモットーを徹底し、誠実に高品質なものづくりに向き合っています。
設備配管の施工を依頼したい方、プラント配管に関するお悩みをお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
〉〉こちらの記事も併せてご覧ください!
対応できるプラント配管業者は限られている!プラント配管における特殊合金とは?
https://nagashio-kougyo.com/blog/column/178142
<長塩工業のプラント配管工事について>
https://nagashio-kougyo.com/plantpiping
<長塩工業でプラント配管を目指しませんか?>
https://nagashio-kougyo.com/recruit