こんにちは。
岡山県倉敷市の有限会社長塩工業では、長年に渡りプラント配管や設備配管の各種工事を中心に手掛けています。
配管の設置工事では、配管溶接の作業を必要とするケースが多く発生します。配管溶接の仕事内容や必要な資格を知るために、この記事で配管溶接について解説しますので、参考にしてください。
過去記事でも、溶接工に関して解説しているので、ぜひお読みください。
関連記事:未経験でも大丈夫?将来性のある溶接工としてスキルを身につけてキャリアアップ!
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■配管溶接の仕事内容とは?
配管溶接工は、溶接技術を使用して配管をつなぎ合わせることが主な仕事です。金属(鉄管)や非金属(樹脂管・ポリエチレン管など)など、配管に使われている素材によって溶接方法が変わってくるほか、配管の溶接に必要な付帯作業も、配管溶接工の仕事となっています。例えば、工場の天井付近で配管を溶接する場合、天井やその周囲の配管・機器まで加熱しないよう注意が必要となるだけでなく、高所作業に対する安全確保も必要です。
また、溶接作業に加えて、溶接作業後の配管検査も配管溶接の仕事です。放射線検査と超音波検査を実施し、正しく溶接されているかを確認します。
■鉄管にはどんな種類があるのか?
配管のうち、金属で作られる配管を鉄管と呼びますが、鉄管は主に以下の5種類に分けられます。それぞれの種類について簡単にご紹介します。
・配管用炭素鋼鋼管(SGP)白菅
一般的に「ガス管」と呼ばれているのは、この配管用炭素鋼鋼管であり、白管と黒管に分けられます。白管は、耐食性を高めるために亜鉛メッキ加工がされており、空気・ガス・油・水(上水道用を除く)や、比較的圧力が低い蒸気などを流す配管に用いられます。
・配管用炭素鋼鋼管(SGP)黒管
亜鉛メッキ加工をした白管に対して、黒管は何も加工されていません。用途は白管とほぼ同じであり、高圧力に耐えられない点も白管と共通しているため、圧力が低い流体の配管に使われます。
・水道用亜鉛めっき鋼管(SGPW)
見た目は白管と区別がつかないものの、亜鉛めっきの膜厚が厚い鉄管です。「水道用」となっていますが、飲用水ではなく空調や排水の水配管として使われています。
・水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-VA・VB・VD)
主に飲用水を運ぶための給水配管であり、SGP管の内面を塩化ビニールで覆うことで腐食に強い加工がされています。最も一般的に使われている配管で、外面の加工方法によりVA・VB・VDの3種類に分類されます。
・圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)
管に厚みを持たせ、高圧に耐えられるよう加工された鉄管で、現場では「スケよん」と呼ばれます。高圧の蒸気管・消火配管・油管・冷温水管の配管などに用いられます。
■配管溶接の方法と関連資格とは?
溶接の方法のうち、配管溶接で多く用いられる方法は3つあります。ここからは、配管溶接の方法と、配管に関連する資格についてご紹介します。
・溶接方法
長塩工業で取り扱っている溶接方法には、被覆アーク溶接・Tig溶接・半自動溶接があります。
各方法の特徴を見ていきましょう。
① 被覆アーク溶接
放電現象によって発生した光と熱を利用する「アーク溶接」のうち、多く用いられる方法です。被覆剤を加熱して溶かし、溶接したい金属部材の上に乗せて接着剤のように使い溶接します。配管溶接だけでなく、さまざまな溶接の現場で行われています。
② Tig溶接
こちらもアーク溶接のひとつであり、アーク光が発する熱で母材を溶かして溶接する方法です。溶接時に火花が飛び散らず、溶接箇所以外への影響を最小限に抑えられます。
③ 半自動溶接
ワイヤーが自動供給される半自動溶接機器を使用することで、トーチの操作を行うだけで溶接でき、スムーズな溶接作業が可能です。
・溶接に関連する国家資格
溶接作業は、専門的な技術や知識が必要なうえ危険度も高いため、作業を行うには資格の取得が必要です。資格には国家資格と民間資格があり、溶接する方法や対象によって分かれているため、資格ごとで取得できる技術を理解しておく必要があります。
まずは国家資格の概要から見ていきましょう。
① アーク溶接等特別教育
アーク溶接作業を行う際に、事業者は作業員に対してアーク溶接等特別教育を受講させる義務があります。厳密には国家資格ではないものの、アーク溶接の業務に関わるには特別教育の受講が必須となっているのです。
学科講習と実技講習を修了すると、写真入りの修了証が交付されます。18歳以上であれば誰でも受講でき、試験がないため取得のハードルは高くありません。
② ガス溶接技能講習
ガスバーナーで金属を溶かすガス溶接を行うには、ガス溶接技能講習の修了証が必要です。溶接の初歩的な資格であり、取得するには学科講習・実技講習の受講と修了試験の合格が条件となっています。
修了試験は、講義内容の理解度を判定するためのものであり、難易度はそれほど高くありません。
③ ガス溶接作業主任者
ガス溶接の作業方法を決めたり、作業者へ指示を出したりする責任者に必要な国家資格です。この資格を持った人物がいないと溶接作業ができないため、需要の高い資格と言われています。3年以上の実務経験と試験への合格が、資格の取得条件です。
④ ボイラー溶接士
溶接の資格のうち専門性が高いのが、ボイラー溶接士です。ボイラーの製造や修理に必要な作業を行うための資格であり、普通ボイラー溶接士よりも特別ボイラー溶接士の方が豊富な経験が問われます。
・溶接に関連する民間資格
溶接に関連する資格は、国家資格だけでなく民間資格でも多数存在します。安全な作業のために、作業に適した資格取得を目指していきましょう。
① 溶接技術者
溶接技術者は、一般社団法人日本溶接協会が認証している資格であり、溶接する材料などによって9種類に分かれています。さらに、9種類の中で細かく資格が分かれているため、実際の作業内容に合った資格を選ばなくてはいけません。
詳しい資格の名称や対象材料・溶接方法は、日本溶接協会のホームページで確認してみてください。(https://www.jwes.or.jp/qualifications/wo/scheme/)
② 溶接管理技術者
工場認定や、官公庁から溶接工事を受注するには、溶接管理技術者の常駐が必須条件です。溶接工事の作業管理や施工計画を立てるための民間資格で、溶接に関する知識と経験が必要です。橋梁・化学プラント・重機械など、溶接作業が必要なあらゆる現場で、技術者のニーズが高まっています。
③ 溶接作業指導者
溶接現場における作業管理や指導・監督をするための資格です。指導者に対する資格取得は必須ではないものの、取得しておくとスキルが証明できて便利です。
25歳以上で特定の技術資格を保有していると、指導者になるための講習を受講できます。講習最終日に筆記試験が行われますが、合格率はほぼ100%となっています。
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