未経験でも大丈夫?将来性のある溶接工としてスキルを身につけてキャリアアップ!

皆さん、はじめまして。岡山県倉敷市で主に配管工事や製缶工事、各種プラント保全、鳶・土木工事を手がけている有限会社長塩工業です。


今回は、弊社のメイン業務である、「溶接工」についてです。溶接工は日本のモノづくりにおいて欠かせない技術の1つ。配管や自動車、時計やアクセサリー、鉄道や飛行機など、私たちにとって身近なモノは、製造工程で溶接技術を必要とします。また、溶接に関わる仕事をしている人を溶接工といいます。溶接工についてなんとなく知ってはいるものの、具体的な仕事内容までは分からない人が多いのではないでしょうか。


本記事では、溶接の概要や溶接工の仕事内容、必要資格や向いているタイプなどについて説明します。





■そもそも溶接とは?



溶接とは、金属部品同士を加圧・加熱して、一体化させる作業のことです。溶接には「融接」「ろう接」「圧接」の3種類あり、使用する材質、製品に求められる品質や機能によって、さまざまなスキルを必要とするため、熟練度が重視されます。溶接は製品加工において欠かせない技術であり、ヨーロッパでは紀元前3000年頃、日本では弥生時代から溶接の技術があったことを確認されているほどです。


近年では、ロボットに溶接させる方法も導入されていますが、大きい部材の溶接が難しいだけでなく、導入コストがかかるため、これからも溶接工の需要は高いといえます。




■「融接」「ろう接」「圧接」はそれぞれどう違うの?



溶接は、「融接」「ろう接」「圧接」の3つに大きく分かれます。業種や接合する部品によって用いる方法が異なるため、それぞれの特徴を把握しておきましょう。



・融接


融接は、金属部品同士を火や電気などの熱で溶かして接合する方法です。融接による接合は強固に結びつくため、強度を求められる部材の加工時に用いられます。溶接のなかで最も採用される方法です。


融接はさらに、「アーク溶接」や「ガス溶接」、「レーザー溶接」などに分類されます。アーク溶接とは、2つの電極間で放電させることによって生じた放電現象のことで、非常に大きな電流が流れる技術のことです。ビルの建築や造船の際に使用する部材の加工に採用されています。なお、パソコンなどの充電器を接続したまま引き抜いたときに発生する強い光もアーク放電の一種です。使用する機器やガスの種類のよって、「被覆アーク溶接」「炭酸ガスアーク溶接」「TIG溶接」などに分類されます。


ガス溶接は、ガスバーナーで部材を溶かして接合する方法です。薄い部材の加工に対応できます。レーザー溶接は、レーザーで溶かして接合する方法です。精密機器に使用する部材の加工に採用されています。



・ろう接


ろう接とは、金属部品そのものを溶かさずに、金属部品よりも低温で溶ける溶加材(ろう材)を使用して接合する技術のことです。溶加材にろうが使用されているため、ろう接と呼ばれています。ろう接では接合したい金属部品同士を溶かすのではなく、溶加材を溶かして接着剤のように使用するため、母材の原子と結合する親和性に優れていなければなりません。そのため、どの金属部品同士を接合するかによって、溶加材も「アルミろう」や「銀ろう」「リン銅ろう」などから使い分けされる仕組みです。


ろう接とよく似たものに「半田付け」と呼ばれるものがありますが、両者は溶融温度が異なります。ろう接では溶融温度450度以上のろうを使用しますが、半田付けでは溶融温度が450度未満の半田を使用しています。


ろう接は、母材の隙間に浸透して接合させるため、複雑な形状の接合が可能です。気密性にも優れることからパイプやコネクタの部品製造時にも採用されています。一方、電導性の高い半田を使用した半田付けは、電子回路や精密電子部品などに利用されています。



・圧接


圧接とは、熱を加えて溶かすことなく、2つの部品に圧力を加えて接合する技術のことです。圧接はさらに、「抵抗スポット溶接」や「ガス圧接」、「摩擦圧接」などに分類されます。抵抗スポット溶接は、接合する2枚の母材を重ね合わせて通電し、抵抗による発熱を熱源として接合する方法です。蓮圧接はガスで加熱して接合する方法、摩擦圧接は部材同士で摩擦を生じさせ、圧力を加えて接合する方法です。




■溶接工の仕事内容は?



溶接工とは、モノづくりに必要な溶接の仕事に携わる人のことをいいます。主に機械部品の製造や加工に必要な技術で、先ほど紹介した融接やろう接などの種類は問いません。溶接工の仕事内容を紹介するために、実際の作業工程を説明します。


まず、金属の材料である鋼材を、「メタルシートカッター」や「チップソー切断機」といった専用の工具を使用してカットします。カットができたらハンマーを使用して、熱してから鋼材をたたき、切断面を丸くしたりデザインを整えたりします。次は、完成品に近づけるために鋼材を曲げていき、理想の形になったら溶接作業を行う流れです。部品同士の接合ができたら表面を磨き、綺麗に仕上げます。長期間状態を維持するために、さび止めや塗装を行い完了です。


上記で紹介した作業工程はあくまでも溶接作業の1つであり、製品にあわせた方法を採用します。なお、溶接工はモノづくりにおいてなくてはならない存在であり、高度な技術が必要です。重量物を溶接する際は体力が必要になり、火傷をしないように集中力も求められます。




■溶接工にも資格がある?



溶接工は作業工程のなかで高温の部材やプレス機械を扱う危険な仕事であり、安全に作業を行うために資格が必要になります。ここでは、2つの資格を紹介します。



・溶接技能者


溶接工の基本的な資格に、「溶接技術者」があります。基本級と専門級の2つのレベルに分けられており、基本級は下向きの体勢で行う溶接のみ、専門級では上向きや横向きなどの方向から行う溶接が対象です。さらに、溶接技術者は溶接方法や使用する部材によって、「アーク溶接技術者」や「アルミニウム溶接技術者」など、細かく分類されています。自分が進みたい分野の資格を取得してスペシャリストを目指しましょう。



・溶接作業指導者


溶接作業指導者は、溶接に関わる作業指導や助言を行うための資格です。後述する溶接管理技術者に、作業実績の記録を報告することもあります。溶接作業指導者は、現場でリーダーとしての役割を任せられる重要なポジションです。



・溶接管理技術者


溶接管理技術者は、溶接作業指導者のさらに上を目指せる資格です。資格は、溶接スキルに加えて、現場での管理能力が求められる内容になっています。溶接管理技術者を取得することで現場監督を任せられる立場に従事することが可能です。

長塩工業では、資格取得支援制度を設け受験費を負担したり、資格取得時には資格手当を支給したりしています。弊社の制度を活かし、資格取得を目指しましょう。




■どんな人に向いているのか



溶接工は高度な技術を要するため、向き不向きがあります。一般的に溶接工に向いているといわれる人は「集中力のある人」「忍耐力のある人」「スキルを上げるために我慢強く取り組める」の3つです。それぞれの理由を説明します。



・集中力のある人


溶接工に向いているタイプの1つに、集中力のある人が挙げられます。溶接は1㎜単位で接合箇所の位置を狙う必要があり、電気やガスを使用する作業工程のなかで火花が生じて危険を伴うこともあるため、集中力が重要です。集中力がないと作業ミスを起こして欠陥品を生み出したり、怪我をしたりするおそれもあります。結果、大きな損失を招くおそれがあるため、集中力が求められるといえるのです。



・忍耐力のある人


溶接工の仕事は、高度で繊細な技術を必要とします。技術はすぐに習得できるものではないため、目の前の部材と向き合いながら毎日コツコツと技術を習得する忍耐力が重要です。溶接工にはいくつかの資格があり、将来進みたい分野にあわせて複数取得することができます。溶接工をしながら技術を身につけたい人や、資格取得をしながら自分の進みたい方向に成長していきたい人にはやりがいを感じられる仕事です。溶接工を長く続けるほど熟練度があがり、仕事の幅も広がることで現場監督にも従事できるようになるでしょう。何事も継続できる忍耐力が必要です。



・小柄な人


溶接作業は、床下やパイプスペースなど、狭い空間で作業が必要な場面があります。体力が必要な場面が多いため、大柄な男性にのみ向いていると思われがちですが、狭い空間で作業ができる女性にも向いているといえます。2017年に実施された統計調査によると、溶接工の男女比は男性96.87%、女性が3.2%でした。圧倒的に男性多数の業界ですが、最近は女性が働きやすい職場環境を整えている会社も少なくありません。女性ならではの小柄な体格と手先の器用さを活かした活躍を期待されています。弊社に女性溶接工は少ないですが、歓迎しているので、興味がありましたらお問い合わせください。




■溶接工としてのキャリアアップについて


溶接工は現場経験をしながら資格を取得し、都度キャリアアップしながら高収入を目指していくのが一般的です。


長塩工業には充実した研修制度があるため、未経験からでも溶接工の技術を習得し、一人前の作業員として働くことができます。弊社で行っている配管溶接工の仕事は、難易度の高い作業を行うための技術を習得していくことでキャリアアップを図ることができ、より高い技術を持つ人ほど高収入を得られるようになります。


働き始めの月収は約25万、年収は350万程度です。さらに30代、40代と経験を積むことによって、年収は500万から550万となります。長塩工業には年収1000万円を稼ぐ職人も在籍しています。




■溶接工は人の手が必要な職業



結論からお伝えすると、溶接工の仕事が完全になくなることはないでしょう。溶接工に限らずどのような製造業においても、ロボットによる作業は多くなり、ロボットができる作業の幅も広がっていくと考えられます。しかし、図面の考案や人間が持つ感覚や判断力、そして創造性はロボットに置き換えることはできません。

このことから溶接工の仕事が完全にロボット化される可能性は低いといえますが、ロボットに負けない高度な技術や知識が求められるでしょう。


長塩工業は、新人研修を実施しているため、溶接の基礎知識はもちろん、技術を身につけることができます。また、社員の成長を支援する社風のため、技術者や管理者など、キャリアアップに向けた資格支援制度が充実しています。先輩スタッフも優しくサポートしてくれるので、安心して働ける職場環境です。


未経験でも一人前の作業員に成長できる環境を整えているので、やる気と熱意をお持ちの方は誰でも大歓迎です。まずはお気軽にご相談ください。