建設業の新3Kとは? 注目されている背景や3Kとの違い、取り組みの内容を紹介

皆さん、こんにちは。岡山県倉敷市でプラント配管工事・設備配管工事・製缶工事などを手掛けている長塩工業です。


皆さんは、建設業界の労働環境についてどのようなイメージを持っていますか?


「残業が多くてめちゃくちゃハード、休みも取れない」

「キツい割に給料が安い」

「業界の体質が古い」


このようなネガティブな印象をお持ちの方は、おそらく少なくないと思われます。確かに建設業界は、典型的な「3K」の状態が長く続いてきました。


しかし近年では、建設業界でも働き方改革が推進されています。さらに、従来の3Kに替わるキーワードとして「新3K」が提唱され、その実現に向けてさまざまな取り組みが実施されているのです。ここでは新3Kの内容や注目されている背景、実現に向けた取り組みについて解説します。




■なぜ今、新3Kが注目されているのか?~建設業界が抱える課題



建設業界で新3Kが注目されているのは、建設業界の労働環境がよくないために、さまざまな問題が発生しているからです。まずは、建設業界が抱えている課題を見ていきましょう。


・長時間労働の常態化


建設業界は、他の業界に比べて労働時間が長いことが大きな問題になっています。厚生労働省の資料によると、令和3年における建設業の月間実労働時間は、165.3時間でした。全産業の平均は136.1時間なので、他の仕事に比べて月30時間程度も多く働いていることになります。言い換えると、毎日1時間以上も長く残業をしているのです。


こうなってしまう理由としては、工期の遵守が絶対視されていることが第一に挙げられます。無理をしてでも工期を守ろうとするため、どうしても長時間労働になり、休日も少ないのです。また、他の業界に比べてIT化が遅れており、効率の悪い働き方をしていることも一因だと考えられます。


ただ、過去のデータと比較すると、建設業の月間実労働時間は着実に減少しています。働き方改革の成果は出ていると見ていいでしょう。


・深刻な人手不足


建設業界では、3Kの影響で求職者から避けられていることなどを理由に、人手不足が深刻化しています。人手不足は他の業界でも発生していますが、建設業は特に大変な状態です。


建設業の就業者数は、平成9年の685万人をピークに減り続けており、2022年には479万人にまで減ってしまいました。労働者がピーク時の69.9%しかいないのです。


一方、建設工事の需要は増加しています。高度経済成長期に建てられた建造物の老朽化が目立ってきたことや、それに伴う各地の大規模な再開発、相次ぐ自然災害からの復興需要などが原因です。


担い手が減少しているのに仕事は増えているのですから、人手不足に陥るのは当然といえるでしょう。その影響で、工事を発注したくてもできない、もしくは時間がかかるという事態が各地で発生しています。


・労働者の高齢化と若者の建設業離れ


建設業では、労働者の高齢化も進んでいます。総務省の資料によると、建設業で働く労働者のうち、55歳以上は約36%なのに対し、29歳以下は約12%しかいません(2022年)。



(参照元:建設業デジタルハンドブックより)


根本的な原因は日本全体の少子高齢化にありますが、建設業界では他の業界よりも深刻な状態になっています。これはすなわち、若い求職者を獲得できていないということです。


厚生労働省の資料によると、平成26年3月卒業の新卒者のうち、建設業へ就職した人の割合は全体の5.8%でした。当時の建設業就業者数の全産業に占める割合は約8%でしたから、業界の規模に比べて新卒者の獲得数が明らかに少ないことがわかります。


また、新卒者の3年以内の離職率も高い傾向にあります。平成23年3月の新卒者の場合、建設業の3年以内離職率は、高卒で48.8%、大卒で29.2%でした。それぞれ、製造業の約1.8倍、および約1.6倍に当たります。



(参照元:厚生労働省)


つまり、若者が建設業界に就職せず、せっかく就職してもすぐに離職してしまう状況=「若者の建設業界離れ」が起きているのです。原因はやはり、長時間労働をはじめとする「3K」にあると考えられます。そして、若者を獲得できていないことが、建設業界の人手不足の原因にもなっています。


今後、若者が少ないまま高齢の労働者が引退を迎えれば、専門的な知識や技術を継承できなくなってしまうでしょう。また、就業者数もさらに減少し、建設業界の衰退は避けられなくなります。


建設業は、建物づくりやインフラ整備を通じて社会を支える重要な仕事です。そんな建設業界が衰退すれば、社会が成り立たなくなるおそれすらあります。快適な社会を維持するためにも、建設業界は3Kから脱却し、人材を安定して獲得できるようになるべきなのです。




■旧3Kと新3Kは何が違う?



かつての建設業は、典型的な「3K」仕事であるとされてきました。3Kとは、「きつい」「汚い」「危険」という3つの「K」を合わせた言葉で、要するに労働環境がとても悪いことを示しています。


建設業は肉体労働が中心で体力的にきつく、汗や泥にまみれるため不衛生で、事故のリスクという安全面の問題もあるとして、すっかり3Kのイメージが定着してしまいました。さらに、「給料が安い」「休暇が少ない」「かっこ悪い」を加えて「6K」と呼ばれることすらあったのです。


その結果、前述したように建設業界を目指す人が減少し、人手不足に陥ってしまいました。これを解決するためには、建設業の労働環境を根本的に変え、3Kのイメージを払拭しなければなりません。そこで、平成27年に国土交通省と日本経団連が提唱したのが「新3K」です。


新3Kとは、「給与」「休暇」「希望」の3つを指します。つまり、「給与がいい」「休暇が取れる」「希望が持てる」、このような業界へ変えていこうという考え方です。新3Kが実現すれば、建設業界は確実に働きやすくなり、人手不足などの問題も解消されるでしょう。



■「新3K」実現のために、どのような取り組みが必要なのか?



新3Kは、ただ掲げるだけでは単なる理想論に過ぎません。新3Kを実現するためは、具体的な施策を進める必要があります。「給与」「休暇」「希望」の3つについて、どのような取り組みが行われているのかを見ていきましょう。


・取り組み①:給与


企業の努力に期待するだけでは、労働者に十分な給与が支払われるようにはなりません。そもそも、不当に安い代金で工事を発注する企業もあるからです。そこで、「労務費見積もり尊重宣言」促進モデル工事を発注する試みが始まりました。


労務費見積もり尊重宣言とは、日建連(日本建設業連合会)が提唱しているもので、下請け企業からの労務費見積もりを尊重する取り組みです。元請けが一次下請けに見積もりを依頼する際、適切な労務賃金や法定福利費が内訳として明示された見積書の提出を要請します。


この見積もりを尊重して契約を結んだ企業は、総合評価や成績評定において優位に評価されます。結果として、下請けが買い叩かれることがなくなり、労働者に十分な給与を支払えるようになるという仕組みです。


また、国土交通省が提唱する、CCUS(建設キャリアアップシステム)義務化モデル工事も推進されています。これは、現場においてCCUSに登録している事業者や技能者(職人)の割合が基準を達成している場合、受注者の成績判定時に加点されるシステムです。CCUSの活用推進による、労働者の適正な評価が期待できます。


どちらも現段階では、一部のモデル工事でのみ実施されています。しかし、これらの取り組みが普及・定着すれば、労働者は働きに見合った給与を受け取れるようになるでしょう。


・取り組み:②休暇


建設業界では、長時間労働の是正や週休2日の確保を目指しています。直近で大きな転換点になると見られているのが、「時間外労働の罰則付き上限規制」です。多くの業界ではすでに始まっていますが、建設業では猶予期間が設けられており、2024年4月から適用されます。


従来の法律では、時間外労働に上限が設けられておらず、いわゆる36協定を締結すれば「働かせ放題」が可能でした。しかし、今回の規制により、時間外労働は原則として月45時間・年360時間が上限となります。


「臨時的な特別の事情」があり、労使間で特別条項付き協定を結べば原則ラインを超えることも可能ですが、それでも年720時間以内が限度です。さらに、「時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満」「時間外労働が⽉45時間を超過できるのは年6回まで」といった厳しい制限があります。


上限規制の影響は非常に大きく、労働者が働きやすくなるのは間違いありません。一方、企業側は対応を迫られている他、残業の減少により収入が減るという問題もあります。今後、建設業界に就職する時は、この「2024年問題」にうまく対応している企業を選ぶことが重要です。


また、そもそも工事のスケジュールに無理が生じないよう、国土交通省は「適正な工期設定指針」を発表しました。これは工事の種類ごとに、準備期間や天候による不稼働日も考慮しつつ、余裕を持って工期を設定しなさいという指針です。普及すれば、労働者が無理な長時間労働をする必要はなくなり、労働環境の改善が期待できます。


・取り組み③:希望


「希望が持てる」というのは、上記2つに比べると少しわかりにくいかもしれません。簡単に言い換えるなら、建設業界を「将来性がある」「就職してよかった」と思える業界にしていこうという取り組みです。


推進されている施策としては、まず「i-Construction」が挙げられます。これは建設現場にICT(情報通信技術)を導入し、生産性向上を図ろうというものです。たとえば、ドローンによる3次元測量や、そのデータに基づく設計、ICT建機による施工、検査の省力化などが挙げられます。また、資材のサプライチェーンの効率化や、施工時期の平準化も重要なポイントです。


さらに令和2年には、「建設現場で働く人々の誇り・魅力・やりがい検討委員会提言」が策定されました。これは建設業界のリブランディングを狙った取り組みで、労働者が仕事を通じて満足できる環境づくりや、世間でのイメージアップなどを目標にしています。


もちろん、実態が伴わなければ意味がないので、労働時間削減などと合わせて行うことが重要です。胸を張って「建設業界に就職してよかった!」と思えるようになった時こそ、新3Kが実現できたといえるのではないでしょうか。




■長塩工業では、「新3K」を実現する働きやすい環境を整えています!



長塩工業では、新しい仲間を募集しております。弊社は新3Kの実現を目指し、働きやすい環境づくりに力を入れている会社です。長塩工業の魅力をご紹介します。


・経験者、未経験者ともに歓迎!


長塩工業では、求人募集にあたって経験・未経験を問いません。やる気と情熱、興味さえあれば未経験者でも大歓迎! 仕事は先輩が一から丁寧に教えるため安心です。もちろん、経験者の方は、スキルや経験に見合った待遇でお迎えします。


・資格取得支援


仕事の幅を広げてキャリアアップするためには、資格が必要不可欠です。長塩工業では、仕事に必要な資格の取得費用を補助し、スタッフのキャリアアップをサポートしています。費用の心配をせず、試験勉強や技能の習得に励んでいただくことが可能です。


・適正な昇給・昇格を行い、各種手当も支給


スタッフのがんばりは正当に評価し、待遇に反映させるのが弊社の方針です。昇給・昇格は適切に行い、必要に応じて臨時の手当や出張手当も支給しております。


・スタッフ同士仲がいい


長塩工業はスタッフ同士の仲がよく、とても働きやすい職場環境です。待遇がよくても雰囲気が悪い職場では長続きしないものですが、弊社ならそんな心配は無用! 新人さんでもすぐに打ち解け、気のいい仲間に囲まれて働くことができます。


・時間外労働の上限規制に対応済み


長塩工業では時間外労働の上限規制に対応し、週休2日を確保しています。有給や代休も適正に取得でき、ワークライフバランスの取れた働き方が可能です。


一方、上限規制の影響による給与の減少にも配慮しております。たとえば、休日が増えてもこれまで通りの給与を維持できるよう、取引先との請負価格の交渉に努めています。ルールが変わっても、社員1人1人が安心して働けることを第一に考え、時代に適応した労働環境を構築中です。


詳しい募集要項はコチラ


■まとめ


長塩工業なら、未経験者の方でも安心して働き、専門的なスキルを身につけることができます。「建設業はキツそうだからちょっと……」という方でも安心です。快適な環境で腕を磨き、プラント配管工事を通じて社会を支えてみませんか? 興味のある方はお気軽にご連絡ください。


お問い合わせはコチラ