プラント配管はどんなふうに作られる︖【配管工/溶接工の基本】

配管や溶接業務では、「プラント配管」と呼ばれる、事業系工場の配管工事を行う機会も少なくありません。ここでは、プラント配管がどんなふうにつなげられて作られているのか、またどんな技術やパーツを使って作られているのかを、わかりやすく解説します。




■プラント配管は接続パートでつなぎ合わせて作られる


ひと口にプラント配管といっても、工場の事業内容によって、規模も違えば中を通るものも違います。プラント配管を通るのは、主に気体・液体・粉体で、形状や材質もさまざまです。さらに、こうした配管を「配管継手」と呼ばれる方法でつなぎ合わせていくことで、プラント配管は最適な状態に作られます。ここでは、配管継手の種類を紹介します。



・ねじ式継手

配管の向きを変えるときなどに使う継手で、接合部がネジのような状態になっているのが特徴です。オスねじ/メスねじ(オネジ/メネジ)の2種類に分かれており、お互いを組み合わせて使います。不純物を含まない気体や冷却水など、もし漏れても問題が起こらない空気や液体が通るプラント配管でよく使われる継手です。



・フランジ

フランジは、平らなリング状のパーツを使った継手です。つば状になった部分にぐるりと穴が空けられており、ここにボルトを締めて使用します。配管を通る気体等が漏れる心配の少ない継手ではありますが、しっかりと接合するには、パッキンの役割をする「ガスケット」というパーツを溶接する必要があるため、かなり高度な技術力を必要とします。



・へレール接手

へレール接手とは、継ぎ目になる部分に溝がある配管同士を、必要パーツを間に挟んでつなげるプラント配管です。必要パーツとは、パッキンの役割をする「ガスケット」と、「クランプバンド」の2種類を指します。クランプバンドは、それそのものの一部を締めることで結合部分を締め上げることができる、工具不要の接合部品です。へレール接手は、「サニタリー継手」と同じ意味で使われることも多い継手で、衛生面が重要な食品系工場などを中心に用いられます。食品や医薬品が通る配管なので、すぐに取り外して洗浄可能な点も特徴的です。



・溶接

プラント配管をつなぎ合わせる「継手」のなかでも、配管内部を通る気体・液体などが漏れるリスクが最も低い高度な技術です。熱を使って接合部分をしっかりつなぐ方法ですが、溶接にもさまざまな種類があり、配管ごとに最適な方法を使います。たとえば、配管のつなぎ目に最も高い強度をもたらす「アーク溶接」は、最大2万℃にもなる熱を使う溶接技術です。被覆材という材料を溶かしながら行いますが、この材料がつなぎ目の酸化を防ぐため、見た目の劣化も少なく済みます。ほかにも溶接棒を使って、ほとんど火花を散らすことなく溶接できる「TIG溶接」や、半自動の機械を使って行う「半自動溶接」など、同じ溶接のなかにもいろいろな手法があります。




■プラント配管をつなぎ合わせる「溶接」技術は難しい?


プラント配管では、比較的難易度の低い継手も使います。しかし、漏れのリスクを下げるために配管溶接が必要な場合は、技術的に難しくなるのは事実で、特別な訓練を受けた技術者による作業が必要です。溶接の専門技術を身につけた職人のことを「溶接工」と呼びます。溶接はさまざまな工事現場に必要な人材で、とくに配管工事の現場で働く溶接工を配管溶接工といいます。配管溶接工は、プラント配管を行う工場など、現場での作業が多いのが特徴です。また、工場の事業内容によって使用する配管が違うため、その材質や用途に合う溶接の仕方をしなければなりません。一見厳しい世界に見えるかもしれませんが、技術は少しずつ上げていくため、意外なほど無理なくレベルアップできます。また、現場ごとに違う技術を使う変化に富む仕事なので、常に新鮮で、自然にステップアップできる点も大きな魅力です。仕事が安定的にあり、一度身につけた技術で長く稼げることも配管溶接工ならではのメリットといえるでしょう。




■まとめ


プラント配管は、設置する工場によっては溶接の高い技術が必要となることをおわかりいただけたでしょうか?配管溶接工は、ものづくりがさかんな日本にはなくてはならない職業です。有限会社長塩工業は、岡山県倉敷市に本拠地を置く配管工事・製缶工事を主事業とする会社で、溶接工の育成にも熱心に取り組んでいます。どなたでもご存じの大手飲料メーカー様など、大手企業との取引も多く、安定的に仕事に励んでもらえる職場環境が誇りです。実際、かつて未経験で入社した複数のフレッシュな溶接工が、今ではすっかり一人前になり、安心して現場を任せられるようになっています。先の読めないいまの時代には、安定的に稼げる職人の道を選ぶ人が増えています。溶接工というかっこいい専門職に少しでも興味がある方は、ぜひ長塩工業までお気軽にお問い合わせください!