皆さん、こんにちは。岡山県倉敷市でプラント配管工事・設備配管工事・製缶工事などを手掛けている長塩工業です。
プラントには数多くの配管が設置され、さまざまな物質を運んでいます。そんなプラント配管の機能を維持する上で重要なのが、定期的なメンテナンスです。
配管のメンテナンスを怠ると、製品の品質低下や重大な事故につながりかねないため、確実に実施しなければなりません。また、一口に配管といっても材質・形状・設置場所などは多種多様なので、それに合わせたメンテナンスを行う必要があります。そこで今回は、プラント配管のメンテナンスの重要性や方法、頻度について詳しく解説します。
■プラント配管にはさまざまな種類がある!
プラント配管を材質別に見ると、SUS配管やSGP配管、樹脂配管、銅配管、フッ素ライニング配管、GL配管、EP配管など、実にさまざまな種類があります。配管工事では、これらのどれを使ってもいいというわけではありません。
なぜなら、プラントの業種や現場の環境、配管の形状、そして取り扱う流体の性質などによって、配管に求められる性能も変わってくるからです。温度、圧力、流速、腐食性などが現場ごとに異なるのですから、配管もそれに合わせたものを選ぶ必要があります。
そして、配管の種類や設置環境が異なれば、当然ながら必要なメンテナンスも変わってきます。プラントの業種と配管の用途に分けて、配管に求められる性能や必要なメンテナンスを見ていきましょう。
◯プラントの業種による違い
一口にプラントといっても、生産されている製品は千差万別です。そのため、配管の材質やメンテナンスにも以下のような違いがあります。
・化学プラント
化学プラントでは、強酸や強アルカリといった腐食性の強い流体を扱うため、耐腐食性に優れた材質の配管を使用します。また、わずかでも流体が漏れると重大な事故につながりかねないので、日々の点検が必須です。
・発電所
発電所では高温高圧の蒸気を配管で運ぶため、耐熱性・耐圧性に優れた材質の配管を使用します。また、非破壊検査を頻繁に行います。
・食品工場
食べ物を生産する食品工場では、何よりも清潔さが求められます。そのため、配管には食品衛生法に準拠した材質を使用し、定期的な洗浄・消毒を徹底します。
・製薬工場
製薬工場では高純度の製品を扱うため、異物混入を防ぐ対策が必須です。何か不備があれば重大な健康被害を引き起こすおそれがありますから、点検ではわずかな異常も見逃せません。
◯配管の用途による違い
配管の用途、つまり「何を通す配管なのか」も重要なポイントです。それぞれ以下のような注意点があります。
・蒸気配管
高温高圧の蒸気が通る蒸気配管では、熱膨張や応力腐食割れなどに注意します。また、定期的な非破壊検査が必要です。
・水配管
ただの水を流す配管でも、腐食やスケールの付着(水中に溶けていたカルシウムやマグネシウムなどが固体になって堆積すること)といった不具合が発生します。トラブル防止のため、定期的な内部洗浄が必要です。
・薬品配管
薬品配管は腐食性の高い薬品を扱うため、耐腐食性に優れる配管を使用します。また、危険な薬品が万が一漏洩した時に備え、対応策を検討する必要があります。
・油配管
油配管では、油の劣化によるスラッジ(油が変質した堆積物)の発生や、漏洩による火災に注意しなければなりません。定期的な清掃と、日々の亀裂・破損の確認は必須です。
■プラント配管におけるメンテナンスはとても重要!
多数の配管が設置されているプラントにおいては、配管のメンテナンスが非常に重要です。メンテナンスの主な目的としては、以下のものが挙げられます。
◯トラブルの未然防止
プラント配管でトラブルが発生すると、解決するまではその生産ライン(場合によってはプラント自体)を停止せざるをえません。停止までは行かなくとも、製品の品質低下やエネルギーロスにつながる不具合は多々あり、いずれも業績に大きな影響が出ます。こういったトラブルを防ぎ、生産性を向上させるためにも、メンテナンスは確実に行う必要があります。
◯寿命の延長
プラント配管のメンテナンスを怠ると劣化が早くなり、交換コストが増大してしまいます。配管の寿命を延ばし、交換コストを削減する意味でも、メンテナンスは重要です。
◯環境負荷の低減
プラント配管に亀裂や破損が発生し、流体が漏洩してしまうと、環境汚染につながります。気づかないうちに薬品や廃液が垂れ流しになっていた、というケースは珍しくありません。もともとプラント自体が環境負荷の大きい施設であり、近年では環境保護に対する責任も大きくなってきていますから、トラブル防止のためのメンテナンスは必須です。
◯安全性の確保
プラントでは、火災や重大な労働災害がしばしば発生しています。配管のメンテナンス不足もその一因です。
たとえば、蒸気配管のメンテナンスを怠ると、破損した箇所から蒸気が噴出し、近くにいた作業員が大火傷を負うかもしれません。作業員が安全に働ける環境を確保するためにも、配管のメンテナンスは必要不可欠です。
■プラント配管のメンテナンスにはどんな方法があるの?
プラント配管のメンテナンスにはいろいろな方法があり、シーンに応じた使い分けが重要です。主な方法と、それぞれの特徴や目的、用いられるシーンをご紹介します。
◯視覚検査
視覚検査は、目視による最も基本的な点検です。配管外部のサビやクラック(亀裂)、変形、流体の漏洩などがないかどうかを目で見て確認します。また、計器類の数値もチェックします。
◯非破壊検査
非破壊検査は、配管に傷をつけたり穴を開けたりすることなく、配管の内部状態を調べる検査です。超音波検査やX線検査などがあり、内部の亀裂や腐食を早期に発見するのに役立ちます。
◯肉厚測定
肉厚測定は、主に超音波によって配管の厚み(肉厚)を測定する検査です。配管は、水や薬品の影響による腐食や、高速で流れる気体・液体の浸食作用によって、だんだん薄くなっていきます。放置すると破損などのトラブルにつながるため、肉厚を測定し交換時期を見極めます。
◯保温材の点検・補修
配管の保温は、流体を適切な温度に保ち、エネルギーロスや製品の品質低下を防ぐ上で重要です。保温材の劣化や破損が見られたら、すぐに補修する必要があります。
◯配管洗浄
配管の内部は、流体の成分や水垢、不純物、その他ゴミなどが堆積し汚れていきます。そのままだと製品の品質に影響し、内部が詰まって流体が流れにくくなることもあるため、定期的に洗浄する必要があります。
◯その他
その他にも、弁の調整・交換やパッキン交換、塗装、配管の支持点の点検、支持架台の点検、そして過去の点検記録の確認や経年変化の把握など、さまざまな検査があります。毎日簡単に行えるものから大掛かりなものまでいろいろありますが、いずれも重要な検査です。
■プラント配管のメンテナンスの頻度はどのくらい?
プラント配管のメンテナンスでは、方法だけでなくタイミングも重要です。トラブルを防ぐためには、適切な内容の点検を、適切な頻度で実施しなければなりません。
点検を頻度によって分類すると、主に日常点検・定期点検・特別点検の3種類があります。それぞれの頻度と内容を簡単にご紹介します。
◯日常点検
日常点検は、毎日または数日ごとに行われる簡易的な点検です。視覚検査が中心で、配管の亀裂や計器類の数値の異常など、一目でわかるようなトラブルが発生していないかどうかをチェックします。
◯定期点検
定期点検は、月1回や3ヶ月に1回など、一定期間ごとに実施される点検です。配管全体の細かな点検や配管洗浄といった、時間がかかる点検や機械を止めなければならないメンテナンスを行います。
◯特別点検
特別点検は、大規模な修繕や改造を行った後、または異常が発生した場合に行われる点検です。「修繕・改造に不備はないか?」「異常の原因は何か? 対応はしたが本当に問題ないのか?」といったことを確認するために行います。
ちなみに長塩工業では、特殊な薬品や通常と異なる流体を流す前に、問題ないかどうかの点検を兼ねてメンテナンスの依頼が来るケースがよくあります。「これって大丈夫かな?」と思ったら、油断せずメンテナンスを行うことがトラブル防止のポイントです。
■長塩工業はプラント配管のプロ! 特殊合金のメンテナンスもおまかせ
以上のように、プラント配管のメンテナンスは非常に重要です。計画的に配管のメンテナンスを実施してこそ、プラントの機能を維持しトラブルを防ぐことができます。
プラントの業種や配管の材質に応じた点検など、専門的な知識と技術が要求される作業なので、メンテナンスの依頼先はよく考えて選ぶことが大切です。まずは、実績豊富な専門業者に相談してみましょう。
長塩工業では、プラント配管の設置工事やメンテナンス全般を手掛けています。ステンレス鋼、ニッケル基合金、チタン合金、銅合金など、一般的な配管業者では扱えない特殊合金製の配管にも対応可能です。
豊富な施工経験に基づく高い技術力で、常に安全かつ高品質な施工をお約束します。「長らく点検していなくて配管の状態が心配」「他の業者では対応できなかった」など、配管に関するお悩みがある時は、何でも長塩工業にご相談ください。