建設業の2024年問題でプラント配管業界はどう変わる? 影響と長塩工業の対策を紹介!

皆さん、こんにちは。岡山県倉敷市でプラント配管工事・設備配管工事・製缶工事などを手掛けている長塩工業です。


昨今の建設業界では、いわゆる「2024年問題」が大きな話題になっています。2024年問題とは、2024年4月から働き方改革関連法が建設業界にも適用され、罰則付きで時間外労働の上限規制が設けられることです。


労働者のためにも働き方改革は推進すべきですが、企業側は変化に対応しなければならず、いろいろな課題が発生しています。もちろん、長塩工業のようなプラント関係の仕事をしている会社も例外ではありません。そこで今回は、プラント業界が抱える課題や2024年問題の影響について詳しく解説します。




■プラント業界が抱える課題



実は今、プラント業界はさまざまな課題を抱えています。そこに2024年問題が加わることで、より難しい対応を迫られています。まずは、プラント業界が抱える主な課題を確認しておきましょう。



・業界に余力がない+人手不足


プラントを扱う代表的な産業である石油化学産業は、近年になって統廃合が進んでいます。その結果、需要と供給がほぼ同じになり、製造プラントの稼働率は常に90%を超えています。


決して石油の需要が伸びているわけではなく、統廃合によって業界に余裕がなくなってしまっているのです。よく言えば無駄がないのですが、これではどこかのプラントが停止しただけで供給不足に陥りかねません。


しかも、これらのプラントの大部分は操業開始から半世紀程度も経過しており、施設の老朽化が進んでいます。今後は、施設の更新工事の需要が加速度的に増えていくでしょう。


ところが、プラント工事業界では技能者(職人)の高齢化や人手不足が深刻化しています。つまり、工事の需要が増えているにもかかわらず、担い手が足りないという状態なのです。


そして2024年4月からは、時間外労働の上限規制が適用されるため、人手不足を長時間労働で補うのが困難になります。これにより、ますますプラントの更新が難しくなり、操業に支障をきたす可能性があります。



・定修工事による長時間労働


プラントは定期的に停止し、メンテナンスをするよう法律で義務付けられています。このメンテナンスのことを、プラント業界では定修工事(定期修理工事)やSDM(シャットダウンメンテナンス)と呼んでいます。


石油化学プラントの場合、定修工事は常に等間隔で行われるわけではありません。定修工事が多い年(メジャー年)と少ない年(マイナー年)を繰り返し、長ければ2ヶ月程度プラントを停止することもあります。


もし再稼働に時間がかかれば、製品を生産できない期間が長くなり、大きなコストがかかってしまいます。そのため、定修工事はできる限り短い期間で終えなければなりません。従来は、一度に大勢の技能者を投入したり、超長時間労働をさせたりして、工期を短くするケースが珍しくありませんでした。


しかし、近年では技能者の人手不足により、人海戦術が取りにくくなっています。さらに2024年4月からは、時間外労働の上限規制により、長時間労働で補うのも難しくなるでしょう。特に春と秋は工事が集中するため、これらの問題が顕在化しやすい傾向があります。




■そもそも、なぜプラント業界は長時間労働になってしまうのか?



ここまで見てきたように、プラント業界では長時間労働が大きな課題となっています。では、そもそもなぜプラント業界は長時間労働になってしまうのでしょうか?


要因の1つは、業界の統廃合や施設の老朽化で仕事が増えていることですが、他にも理由はあります。また、長時間労働以外にも、業界の構造や人手不足が原因でトラブルが引き起こされることがあります。プラント業界で問題が発生する原因を見ていきましょう。



・熟練技能者と若手の不足


長時間労働の要因の1つは人手不足です。では、一体なぜ人手不足になっているのかというと、実は就職氷河期に採用を控えていたことが関係しています。


就職氷河期世代は、1970年~1982年頃に生まれた世代のことで、現在の年齢が35歳~55歳程度の人です。ただ、実際には現在40代の人が多くを占めています。つまり、本来であれば第一線で活躍しているはずの世代が、すっぽり抜けてしまっているのです。


熟練技術者の年齢は60歳前後に達しており、この世代がいずれ大量離職すれば、人手不足はさらに深刻化するでしょう。また、技術を受け継ぐ人がいないため、熟練工の優れた技術が失われてしまうかもしれません。


最大の対策はもちろん、若い人材の獲得と教育を急ぐことです。しかし、建設業界は長時間労働をはじめ、いわゆる「3K」の状態が長く続いてきました。そのため、若い求職者がなかなか集まらず、就職しても短期間で離職してしまうというケースが目立ちます。


また、建設業界には昔ながらの職人気質の空気が残っており、今なお「見て覚えろ」という教育をしている会社もあります。つまり、未経験者をスムーズに育てられる教育制度・人事制度が整備されていないので、十分に成長する前に限界を感じて辞めてしまう人材が多いのです。



・建設現場の多重構造によるトラブル


プラントの工事やメンテナンスは、些細なミスが重大な事故につながる仕事です。そのため、プラント工事業者のコンプライアンス意識は、他の建設関係の業種に比べて高い傾向があります。むしろ、製造業に近い雰囲気かもしれません。


しかし、いわゆる多重下請け構造になっているのは、他の建設関係の業種と同じです。下請けが施工中に労災事故を起こすと元請けの責任になるため、元請けは現場の状況を厳しくチェックしています。


それにもかかわらず、下請けが勝手に一人親方を現場に入れたり、安全教育も受けていないような人が現場に出入りしたりするケースが珍しくありません。人手不足のため、そうしないと工期に間に合わないような状況があるからです。


一人親方は最低額で労災保険に加入していることが多く、万が一労災事故を起こした時には、補償額が少ないなどのトラブルにつながる可能性があります(もちろん元請けも巻き込まれます)。そして、最低限の教育も施されていない人間が現場に出入りすれば、労災事故のリスクが大きく高まるのは言うまでもありません。




■建設業の2024年問題を解決するための具体的な施策



建設業への働き方改革関連法の適用は、すぐそこまで迫っています。時間外労働の上限規制には罰則も付いているので、新たなルールを無視するわけにはいきません。


建設業界の企業は2024年4月1日までに、常態化している長時間労働をはじめ、労働環境の問題を改善する必要があります。そのための具体的な施策としては、以下のものが挙げられます。



・適度な工期設定による長時間労働の是正・週休2日の確保


人材を定着させるためには、長時間労働を是正し週休2日を確保するなど、働きやすい環境の整備が絶対条件となります。そこで必要になってくるのが、「適正な工期設定」と「施工時期の平準化」です。


工期があまりにも短いと、間に合わせるために長時間労働をせざるを得ません。これを防ぐには、受注者・発注者ともに工期のダンピング(不当に短い工期での契約)を排除する必要があります。施工条件の明確化や工程表の作成、適正な工期の算出を行い、受発注者の双方が協議した上で工期の設定や見直しを行うことが大切です。


また、施工時期の平準化とは、年間を通した工事量を安定化・平均化させることをいいます。極端な繁忙期や閑散期があると、繁忙期は人手不足や長時間労働が懸念される一方、閑散期は労働者の収入が不安定になってしまいます。施工時期が平準化されれば、労働者はワークライフバランスを取りやすくなるため、人材の定着につながるでしょう。



・労働時間の適正な管理


労働時間を正しく管理することも、労働環境を整備する上で必要不可欠です。かつては、従業員の自己申告のみで労働時間を記録するなど、不適切な管理が行われているケースが珍しくありませんでした。そのため、2019年4月に労働安全衛生法が改定され、労働時間の客観的な把握が義務化されたのです。


現在は、タイムカード・ICカード・パソコンの使用などにより、客観的な情報を用いて記録した労働時間のみが認められます。自己申告は原則として認められません。これらの方法で正確に労働時間を管理すれば、労働者は適正な給与を受け取ることができます。また、労働の状況が正確にわかるので、働き方の見直しにも活用できます。




■長塩工業は2024年問題にも対応済み! 安心・安全の施工をお約束いたします



2024年問題は、建設業界の企業にとって必ずクリアしなければならない課題です。同時に、求職者の方や工事を依頼する企業様・施主様にとっても、要注目のポイントといえます。


就職先を探す場合、時間外労働の上限規制に対応できている会社を選ぶべきであることは、言うまでもありません。また、仕事を発注する場合も、コンプライアンスの観点から、法令を守り働き方改革を推進している企業を選ばなければならないのです。


長塩工業では従業員の労働環境を守り、お客様に安心・安全な施工を提供するため、働き方改革に力を入れています。弊社の主な取り組みをご紹介します。


・安全第一の施工を徹底!


長塩工業では、何よりも安全第一で活動しています。フランジにはガムテープを巻く、危険な液体の流れる配管を扱う際には手袋をはめるなど、現場での安全対策は徹底的に行います。これは、過去に起こしてしまった事故への反省からです。労災事故はもちろん、ちょっとしたトラブルや手違いも起こさないよう、常に配慮しております。


・現場の高い安全意識


長塩工業では、スタッフ1人1人が高い安全意識を持って業務に臨んでいます。5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)の徹底をはじめ、各自が最善と思うことに率先して取り組む姿勢こそが、高い品質と安全につながると考えております。


・2024年問題への対応


長塩工業では2024年問題に対する取り組みとして、週休2日を確保する一方、その影響による給与の減少にも配慮しております。たとえば、休日が増えてもこれまで通りの給与を維持できるよう、取引先との請負価格の交渉に努めています。ルールが変わっても、社員1人1人が安心して働けることを第一に考え、時代に適応した労働環境を構築中です。




■プラント配管に関することは、すべて長塩工業にお任せください!




プラント業界は、もともと抱えていた問題に2024年問題が重なり、難しい状況に置かれています。しかしこれは、業界のあり方を抜本的に見直すチャンスです。


今後は働き方改革を推進し、新たなルールに適応できた企業が生き残っていくと考えられます。プラント業界で就職先や工事の依頼先を探す時は、ぜひ働き方改革への取り組み状況を確認してみてください。


岡山県倉敷市の長塩工業は、設計から製作、加工、施工、管理、メンテナンス、保全まで、プラント配管に関するトータルサポートを手掛けております。すべて安心の自社一貫対応で、細かなご要望等にも柔軟に対応できるのが強みです。


プラント配管以外にも、サニタリー・アルミ等の施工など、「金属」と呼ばれるものであれば基本的に何でも対応可能! お客様の満足度を高めるための努力は、どこにも負けないと自負しております。プラント配管や金属に関するお悩み・ご依頼がある時は、ぜひ弊社までご相談ください。


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